すいもあまいも

即売会参加レポブログになりつつある

コミックマーケット84(2013年夏コミ)2日目に行ってきました #C84

8月11日(日)。創作と男性向の日。昨日に続いて38.3℃を記録した猛暑日。

最初は《4研》さんでお手伝い。《4コマ同好会》として5月のコミティアで発行した『4コママンガのススメ2012年版』を着実にお手に取っていただけてニマリ顔。『~2011年版』も水池亘さんのサークル《淡く眠る猫》にて頒布され、こちらは完売しました。お立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました

お手伝い後は自分のターン。初動は《むぃむぃらぼ》。昨年の冬コミで惜しくも入手できなかった本をゲット。後は創作サークルを中心に東123→東456→西12→東456→東123と巡回。チェックしたサークルを巡回するだけで暑さに体力を奪われ、新規開拓はあまりできなかった。そんな中、豆本エリアで滅茶苦茶に凝った装丁と仕掛けの豆本たちを発見できたのは奇跡だと言えよう。お値段は張ったがそれに見合う価値のある作品に大満足。この日の自分には同人誌の神様がついていたのかもしれない。全体的な戦果も上々。某Aさんと某Tさんにも感謝。

以下、入手した本の一部とその感想を。(COMITIA105でも入手できそうな新刊については別途。)

『ぶるかにろ博士の手帖』他5冊《どーる・HONOKA》

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件の豆本たち。この豆本たちに出会えただけでも暑い中で参加した甲斐があるというもの。6冊入手し、いずれも素晴らしかったが、ここでは新刊の『ぶるかにろ博士の手帖』(左下の一冊)について記そう。

『ぶるかにろ~』は、ある博士が「『銀河鉄道』の沿線」について記録したもの、という体で作られた豆本。開くと中から出てくるわ出てくるわ、凝った仕掛けの数々が。飛び出す仕掛けはもちろん、糊付け、紐止め、切り込み挟みされた仕掛けや小物に、ただただ感嘆のため息が漏れる。そして「記録」を読み進めていくごとに、銀河に対するロマン、そして博士の生き様に、熱い想いを馳せずにはいられない。

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例えば、上の写真は「北十字」なる場所の記録。本から飛び出す機械、中央に標本として留められた「水の結晶」、円形な宇宙の路線図。当然、全て手作りである。しかも、路線図の裏には「博士」のものと思しき数式が書かれていたり、右ページ下に絵と文字で言及されている「ネジ」は巻末に隠れて同梱されているのである! これだけでも「博士」の物語がありありと思い浮かばれよう。他のページもそれぞれに趣向を凝らした仕掛けが施されている。

これはもはやアートの域と言ってもよいだろう。同人誌持ち寄り読書会がまた開催された暁にはぜひ持って行きたい。

『アロマさん 目で見るナチュラルメディシン第五集』《むぃむぃらぼ》

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擬人化シリーズ第五弾はアロマがテーマ。情熱的なイランイランさんやおやすみパジャマのラベンダーさんといったイメージぴったり麗しい擬人化と、学術論文を引いて薬効とその有効性の研究を紹介する解説のガチさ、このコラボが実に面白い。

『CREAM BOX』《ずんだもち姉妹》

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創作二編。荒井チェリーサイドは、ひと目見た男を「食べたい」とやってきた人魚姫の4コマ。身も蓋もない言動の数々と、人魚というファンタジー記号が作者らしい。野々原ちきサイドは猫と猫耳娘とご主人様の4コマ。新入りの野良猫と飼われものたちが何だかんだで仲良くなっていく様が可笑しい。

『Pinky Pinky』《W.label&虹の先》

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ピンク髪キャラ合同イラスト本。表紙から本文の隅々まで圧倒的なピンクピンクしさ。ピンク髪キャラって何でこんなにエッチく見えるんでしょうねえ← 互いの商業作品キャラ交換も眼福。

『東京!3』《カンプ》

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単行本未収録分を詰め込んだ商業誌再録本。当初から大好きで読んでた作品なので、どんな形であれ本としてまとまることは読者として嬉しい限り。初期設定ラフも収録。韓流な羽田くんは読んでみたかった。

『あねコネ・桜』《ヨッシー工房(新)》

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作者作品『あねちっくセンセーション』中の「姉戦士専門養成学校」を描いた作品。この青筋立ったバイオレンスこそ作者の魅力だよなあ。冒頭の「母性愛」「姉」ナレーションもガチすぎて吹く。

『キャラメルプリン ―電脳風味☆改―』《たまご屋》

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作者久々の同人誌はPC女の子擬人化4コマ。Windows98時代、作者が富士通FMVの「ふじこ」と一緒に「お店を創ろう」(同人誌と同人サイトのことかな)と一緒に暮らし始める場面にほっこり。PCあるあるネタと作者の悲喜こもごもを織り交ぜたお話が軽妙で楽しい。

『うさぎのきもち。』《kotonai.》

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三匹のウサギが紡ぐ4コマ。まるまる太ったコミカルな姿とネタの不条理さが妙にマッチして可笑しい。童謡替え歌ネタは実にシュール。『ふるさと』の一本はウサギキャラともピッタリ。

『寺坂さんはビエンヌ』《マヌライフ》

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「男性アレルギー鼻炎」でいつもマスクをしている寺坂さんと、彼女に積極的なアピールをする社内一のイケメン・柴野くん。鼻水が好き→←変態は嫌い、というデコボコな関係のラブコメが面白可笑しい。マスクで口元を隠す寺坂さんが目で示す喜怒哀楽の表情も楽しい。目は口ほどにものを言うとはこのことか。

『ラブ♥レトリーバー3 Wish upon a Star』《エノコログラス》

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孤児としてコトブキに引き取られた過去を持つしずえ・ケント姉弟と、家族から見放されて家を飛び出した過去を持つ村長。あり得た過去と二人の邂逅、そしてそれぞれが居場所を見つける様を丁寧に描いた、同人然とした一冊。

『混沌のグルメUNLIMITED』《テンタイ→カンソク》

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4本の孤独のグルメパロを収録。特筆すべきは24 -TWENTY FOUR-&THE HARD WAYのコラボ。他の作品と比べて一風変わった題材ということはもちろん、この話のみ横書きで、しかも本の天地が逆になっている。作者もどう収録するか迷ったに違いない。内容もコテコテなアメリカ感にあふれていて可笑しい。

『School Life!』《★track》

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9人の4コマとまきりんぱなのストーリーを収録。仲良しμ'sがコミカルに可愛らしい絵柄でキャッキャする様が楽しい。どの話もアニメμ's幕間としてありえそうなネタってのがまた上手い。そしてまきりんぱなはいいものだ……。

『ひとつ』《しかま屋》

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今年5月のコミティアの既刊。毒持ちゆえ誰からも避けられ、寂しいということを知らない毒虫。彼の命の尽きる際、朽ちて毒を失った彼の体を求めて他の生き物たちが集まってくる。自らの血肉が誰かの糧となった時、その心は食物連鎖という世界の理を知り、その理を受け入れる。可愛らしい絵と優しい言葉に潜む生々しい生で描かれる「生きる」姿が心に響く。

『CLICK CLAQUE CLOCKS』《Lapin Asile》

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昨年5月のコミティアの既刊。時を代償として願いを叶える不思議な時計屋の姉妹を、今日も悩みを持つ者たちが訪れる。花は若さ、人形は綺麗な体、手紙は宛先。自身の生きる意味を求めて命を削る者たち、そしてそれをただ受け入れる姉妹の姿に、えも言えぬ読後感がある。時と生と命のありようを幻想的に描いた作品。

『魔女の家』《Lapin Asile》

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こちらは今年の例大祭の既刊。表こそ特に変哲は無いが、開くと何と下の写真のように星型になる。それぞれのページには星と月をテーマとしたキャラのお部屋が描かれている。遊び心に富んだ一冊。

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