すいもあまいも

即売会参加レポブログになりつつある

COMITIA106終了後に投稿したPush&Review

『はるひことーこ 2』《うな丼無限ロード》

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常識人少年・春彦とアホの子お姉さん・冬子の4コマ続編は、冬子がたい焼きにつられて春彦宅でお家デート(?)。冬子が春彦一家と自由奔放に仲良くドタバタする様が可笑しく、二人の姉弟的で恋愛未満な関係性に深い安心感を覚える。心に自然としみる日常4コマである。

『ハム高生』《くらいむくえすと》

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新任教師がやってきた「ハム高」は人間の言葉を話すハムスターたちが通う高校だった。ハムスターたちのつぶらな瞳と丸々ボディが愛らしく、頬袋や巣作りなどの特徴的な生態が随所に現れたコメディが軽快で可笑しい。キャラとリアルを巧みに取りまぜた動物4コマである。

『ぼたんのきもち』《電灯社》

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子供服に付けられたボタンの妖精と、そのボタンに憧れる少女たちの物語。洋服に付けられてこそボタンは輝く。少女たちが幼い憧れとその行為を自省し、ボタンが最も輝けるように考え、行動していく様に心打たれる。モノに対する本当の愛着とは何かを知る成長物語である。

『ぶるかにろ博士の手帖』《どーる・HONOKA》☆

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銀河鉄道の沿線の記録という体で作られた豆本。本を開けば、沿線の名所や土産などが飛び出す仕掛けや縫い・貼り付けられた小物として現れ、その物質感に博士の物語がありありと思い浮かばれる。手間暇かかった装飾がロマンに満ちた世界観と見事にマッチした傑作である。

『お弁当がバーン!』《2娘》

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作者久々のギャグ作品は、変人だらけの弁当屋に採用された女子の4コマ。突き抜けたキャラたちにあたふたする常識人の女子という対照が面白可笑しく、その目まぐるしく浮き沈むテンションにぐいぐい惹き込まれる。女子的エネルギーに満ちたパワフルなギャグ作品である。

『茶師のおとご』《庭の果》

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日本茶喫茶を訪れた姉弟。弟は店主の女性に惚れ、そして日本茶のおいしさを知る。きっかけは邪な心でも真面目に日本茶を勉強していく弟、そして真直な彼を見て失いかけた自信を取り戻す店主にほっこりする。和みの空間を穏やかに、そして温かく描いた日常4コマである。

『法律擬人化入門(下三法編)』《羊図書館》

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刑事訴訟法、民事訴訟法、商法中心の法律擬人化4コマ。専門的で行動派な法律キャラたちによるドタバタ劇が面白可笑しい。その裏には、特別法や手続法という特性や、分化や段階構造による関係性を巧みに取り入れた擬人化がある。上三法編と合わせて六法制覇されたし。

『少年とスカート』《MarmaladeWaltz》

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いじめられっ子の女装少年と幼なじみの少女が恋人になるまで。伝えたいという少年の気持ちと守りたいという少女の気持ちが、二人の関係に割り入る存在に対する激情でもって露わになる様に心震える。結末での少年の装いは本作を変革と性差の物語たらしめていると言えよう。

『うさぎ先輩と宴会幹事』《まきばのくさとり》

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社長の大抜擢で忘年会の幹事を命ぜられた、うさぎさんときりんさん。皆を満足させたいという情熱、そして着実な段取りと交渉でもって、二人が忘年会プロジェクトを成功裏に導く姿に心打たれる。こんな風にお仕事がしたい、と思わせてくれる会社員コメディである。

『日本で見る中国青銅器』《むぃむぃらぼ》

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日本の博物館や美術館に収蔵されている中国青銅器の擬人化イラストと解説。青銅器の造形そのもの、あるいは彫り込まれた動物の擬人化娘たちはそれぞれに麗しい。装丁もお経本のような蛇腹状で趣があり、糊の匂いに手作りの手間暇が思い浮かばれる。高尚感あふれる一冊。