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名大祭でラガドーン・タバーンのオリジナル体験型ゲーム『ドラゴンフレンド』をプレイしてきた

名古屋大学の大学祭『名大祭(めいだいさい)』は例年6月上旬に開催されており、今年はこの7(土)・8(日)の開催だった。8日は6月にして30℃を越える真夏日でありながら、メイン会場の東山キャンパスは多くの人で賑わっていた。

さて、名古屋大学には『ラガドーン・タバーン』という非電源ゲームサークルが存在する。普段はメンバーで寄り集まって、カードゲーム、ボードゲーム、あるいはTRPGをプレイしているのだが、名大祭では例年オリジナルの体験型ゲームを一般来場者向けに開いている。今年は『ドラゴンフレンド』なるゲームを開いていると聞き、会場まで足を運んだ。

会場は普段は講義に使われている教室であり、机や椅子が(おそらく別の場所に)片付けられていて空間が確保されていた。開場は10時のはずだが、11時過ぎの会場内は既に多くの来場者で賑わっていた。入口で客引きをされていた「Y武」さんに誘われて室内に入り、入口すぐの受付でゲームシステムのレクチャを受けた。

『ドラゴンフレンド』プレイログ

『ドラゴンフレンド』は、ありていに言えばドラゴン育成ゲームであり、プレイヤーの目的はドラゴンを目標のレベルまで進化させることである。プレイヤーは入口で『奇跡のドラゴンエッグ』という初期ドラゴンカードを渡される。ドラゴンのレベルはカードの右上に書かれており、初期レベルはゼロである。プレイヤーはアイテムを集めることによってドラゴンカードを進化させることができ、そのアイテムはいわゆるクエストをクリアすることによって集めることができる。ドラゴンには五つの能力値と『地』『水』『火』『風』の四属性が設定されており、火のドラゴンなら『力』の能力値が高い、といった属性による傾向がある。ドラゴン同様、アイテムにも四つの属性があり、進化に使用するアイテムの属性によってドラゴンの属性が決まる。なお、進化に必要なアイテムの属性およびポイント数はドラゴンカードの裏面に書かれており、高いレベルになるほど多くのアイテムを必要とする。

会場前方のホワイトボードにはゲームプレイのフローと会場のマップが書かれていた。ドラゴンを進化させる目標のレベルはそれぞれのプレイヤーが自由に決めることができる。時間が無い人や可愛いドラゴンが好きな人は低いレベルで留めていいし、時間に余裕がある人やカッコいいドラゴンが好きな人は高いレベルまで育て尽くしていい、といった具合だ。また、地図には五種類のクエスト、進化ができる『龍の祠』、そしてドラゴンが目標のレベルまで進化した後に挑む『最終クエスト』の場所が示されていた。

合わせて、会場前方にはドラゴンの進化系統図が書かれていた。プレイヤーはこのシルエットを見ながら目標のドラゴンを決めるのだ。私は「ドラゴンと言えばやっぱ炎だろ!そして最後まで育ててやる!」ということで、系統図の真ん中の最終進化系ドラゴンを目指して育てることにした。

アイテムを集めるクエストは的当て、玉入れ、くじびきといったミニゲームであり、ミニゲームの成績が良いほど多くのアイテムを手に入れることができる。各クエストには四属性それぞれの色の服を着たサークルのメンバーがいわばNPCとして配置されていた。火のアイテムを求めて『訓練所グレン』に来た私は、NPCから的当てゲームの説明を受け、2球中1球が命中! 火のアイテム『火のカケラ』を手に入れることができた。

そんな感じでクエストをこなし、最初の進化に必要なアイテムを集めた私はいざ『龍の祠』へ。NPCに『奇跡のドラゴンエッグ』とアイテムを渡すと、進化後のドラゴンカード『幼竜カリダ』と交換できた。

『幼竜カリダ』に対して、さらに火のアイテムを大量に与えたところ、今度は『炎龍フラム』に進化した。右上の数字が「1」から「3」と、一気に2レベル上がっているのがお分かりいただけるだろう。

さて、レベル3からレベル4への進化は通常のアイテムだけでなく特殊なアイテムを必要とする。『炎龍フラム』がレベル4に進化するためには『真炎のネックレス』なるアイテムが必要とのこと。しかしこの名前のアイテムは今までのプレイでは見かけたことがない。『龍の祠』のNPCに「このアイテムはどこで手に入るのか?」と問いかけると、NPCいわく「火に関係する場所で手に入るのではないか」とのこと。火に関係がある場所と言えば『訓練所グレン』しかあるまい。しかしさすがに特殊アイテム、ミニゲームの成績が2球中1球命中では手に入らない。再挑戦して今度は2球とも命中! 念願の『真炎のネックレス』を手に入れることができた。

これで進化に必要なポイントに加えて特殊なアイテムを手に入れることができた(実は写真左の状態では火が3ポイントが足りなかったのだが、この後で追加で入手した)。私は三度『龍の祠』へ行き、そして最終進化系『炎帝龍フラム・ロート』を入手! 私の目標は遂に達成された。

目標を達成したプレイヤーは、自身が育てたドラゴンの能力値を使用して『最終クエスト』に挑むことになる。これまでのクエストよりも内容が難しめになっており、また運も必要とされる。私は1回目の挑戦でサイコロ振りに失敗。しかし2回目の挑戦でめでたく成功。

こうして私はゲームをクリアし、賞品として『炎帝龍フラム・ロート』のカードを手に入れたのであった。

プレイ所感

『ドラゴンフレンド』の優れた点はふたつある。ひとつはシステム面で、クエストがミニゲーム形式という点である。例年ではクエストが「●●へ行って薬を手に入れろ」「■■へ行って悪者を倒せ」といった感じで、より謎解き要素やRPG要素が強いものであった。しかし、ラガドーンの体験型ゲームは例年、参加者のほとんどが小学生以下の子供であり、謎解き要素やRPG要素が難しかったのも事実であろう。この問題に対して、従来はクエストのレベルを初心者向けから上級者向けまでに分けて対応していた。しかし、今回のようにクエストをミニゲーム形式にしたことによって子供たちにもとっつきやすくなり、また高いレベルまでやり込むハードルが下がったように思う。事実、参加者の子供からは「俺、全部のドラゴン手に入れたもんねー!」というやり込みの声が聞こえてくる場面もあった。

そして、もうひとつの優れた点は――やり込み要素に関係するが――ビジュアル面である。20種類を超えるドラゴンにはそれぞれに別個のイラストが与えられており、そのクオリティもかなりのものであった。Y武さんに聞けば、これらのイラストは全てサークルのとあるメンバーが描いたものだとか。いやはや、その力の入れ具合には恐れ入る。プレイヤーの「集めたくなる」心をくすぐり、ゲームプレイを快いものにするためには、やはり可愛い&カッコいいビジュアルは大事なのだな、としみじみ思った。

おわりに

Y武さんいわく、今年のラガドーンには例年よりはるかに多い20人を超える新入生が入ったとのこと。どうも最近は動画投稿サイトでTRPGリプレイ動画を見てこの世界に入る人が増えているらしい。中には『クトゥルフの呼び声』のゲームマスターがやりたくてラガドーンに入ったメンバーもいるとか。リプレイが小説形式だった時代と比べると、今はTRPGの普及にとって幸せな時代なのだなあ、と思う。最近はログホラや艦これTRPGが盛り上がってるみたい。

そんなこんなで、楽しいひとときを与えてくれたサークルの皆さんに感謝して、会場を後にしたのだった。また次に行ける時が楽しみである。