すいもあまいも

即売会参加レポブログになりつつある

コミックマーケット84(2013年夏コミ)1日目に行ってきました #C84

8月10日(土)。今年のコミケは土・日・月曜日開催。この日は漫画とアニメの二次創作の日。

東京で37.4℃を観測したこの日は、立っているだけで滝汗が出るジェノサイドコミケ。準備会もTwitterや館内放送で盛んに熱中症対策を訴えていた。それでも相当数の熱中症患者が出ていたようで、自分も会場で二・三度ほど、車椅子や台車で運ばれていく人を見かけた。持っていった900ml×2本のスポーツドリンクは昼前に飲み尽くしてしまい、会場で500ml×3本を補給した。今思えば2000ml×2本くらい持って行ってもよかったなあ。

自分的にはポケモンと4コマ二次と企業ブースの日。東入り東行きで初動は《ゆめそら》。マグカップがどうしても欲しかったんです。続いて東のポケモン、西の4コマ二次などを回り、企業ブースへ。導線が変わっていたことを忘れていて正面階段の方から向かったら、正面階段がちょうど解放されたタイミングで、その手前が大混雑していた。企業ブースでは芳文社竹書房双葉社へ。芳文社の列では近くのTBSアニメーション列から挙がる怒号をリアルタイムで聞いていた。さすがに愉快なものではなかったが、後から聞いた話を総合しても、オペレーションの不手際は否めなかったかなとは思う。企業ブースの後は東に戻り、ポケモンの残りと児童向けアニメを回って、15時過ぎに撤収。

以下、入手した本の一部とそれらの感想を。

『すいちゅう少女。』《ゆめそら》

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『萌えっ娘もんすたぁ』のキャラデザを務める作者による水ポケモン女の子擬人化本。まんまる瞳のアズマオウ、ボリューミーヘアーのスイクン、アタクシ女王様なブルンゲルなど、原型の特徴が容姿や言動にあらわれた擬人化は見事の一言。キャラデザ解説の細かさやあとがきのキャラデザ談からもこだわりが伺える。4コマによるキャラ見せも軽妙で楽しい。

『リカのポケットにファンタジー』《ポケ森集会》(《GlaceLune》にて頒布)

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谷山浩子の楽曲をテーマに9人の作家がポケモンで物語を描くアンソロ。詩のような語り口による浮遊感が心地良く、タイトルや話中の言葉にあらわれたフレーズに楽曲への想いを感じる。収録作『きみのともだち』は少女の成長を見守り続けてきたポケモン玩具たちの物語。ポケモンと過ごした幼少期を思い出させてくれる物語が優しく懐かしく響く。

『愛を記すR』《うそなき》

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金銀ロケット団幹部4人のしたっぱ時代からラジオ塔事件後までを描いた物語。それぞれに入団した想いがあり、団への期待と信頼があり、信念と生き様があり、そして仲間たちとの絆がある。そこには、憎むべき悪としての姿ではなく、個々の人間としての姿が生き生きと輝いて見えよう。原作では描かれ得ない〈悪人の理〉を描いた、同人然とした一冊である。

『花が咲いていた』《CuZu.》

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キュレムを倒され廃人と化したゲーチスを介抱するN。彼の回復を願って、Nは彼のサザンドラと一緒にホドモエへ花を求めに行く。罪を犯した自身を今なお慕い続けてくれる存在に、人間同士の、そして人間とポケモンの絆に対する希望を見出したN。その瞳と顔に戻った光と笑顔が心に沁みる。

『君と僕は似ている』《直観勝負》

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行く先々で「2年前」のトウヤと比較され続けるキョウヘイ。誰も自分を見てくれないことへの悔しさを抱えた彼は、トウヤに伝説ポケモンでのバトルを申し込む。BW・BW2という連作において、主人公たちのありえた姿を丁寧に描いた一冊。伝説ポケモン同士のバトルシーンも熱い。

『君に会える日を』《はちしろ》

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若き日のムーミンパパは、やりたいことをやるヨクサルを見て、自分は家族を作りたいと宣言する。そんな彼に、ヨクサルはひとつの願いを伝える。孤独の寂しさを知って安らぎを求めた者が別の誰かの安らぎとなって、物語が連なっていく様に心震える。親子二世代に渡る物語を温かく描いた一冊である。

『waltz』《モノクロームロマンティカ》

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作者によるS&M二次創作シリーズの再録集。森博嗣作品の二次創作というニッチさに心痺れずにはいられない。冷静沈着な犀川先生と理知的ながらチャーミングな萌絵という原作のキャラを大事にしつつ、この二人ならあり得そうな紳士淑女の微妙な距離感のラブがグッとくる。