クリアポケットリーフとペーパーファスナーを使って、定期購読しているマンガ雑誌のスクラップを作る
概要
筆者は毎月十数冊の月刊マンガ雑誌を定期購読している。全て永久に保管しておきたいところだが、スペースの制約はどうしようもなく、ときどき泣く泣く捨てている。せめて雑誌は捨てる前にスクラップするようにしている。思い入れのある作品を手元に残しておきたかったり、後々「あの頃にはどんな作品が載っていたっけ?」と振り返りたくなることがあるからだ。毎月2、3冊くらいならまだしも、十数冊になると持続できるスクラップ方法が必要になる。「持続できる」とは、時間効率(面倒でない)、空間効率(十分にお片付けできる)、金銭効率(お安く済む)、安定性(同じ方法で長く続けられる)の三点を満たすことだ。この度、筆者はクリアポケットリーフとペーパーファスナーを使ったスクラップ方法にたどり着いた。それを書き残しておきたい。
まずは写真を見てほしい
▲スクラップの完成系。雑誌から分離したページをクリアポケットリーフに入れ、それをペーパーファスナーで綴じている。この写真はあわせて2か月分で、左はある1か月分を表側から見たもの、右は裏側から見たものだ。
▲1か月分の中身をめくってみたところ。1枚のリーフに1号分のスクラップを入れ、発売日順に綴じている。目次にはスクラップしたページをマークしている。
▲ある月の捨てる量と残す量の比較。この月の購読量は雑誌18冊、スクラップが雑誌2冊分くらいなので、およそ9分の1に圧縮できたことになる。これだけ圧縮できれば十分だ。
やりたいこと・やること
- 各号の掲載情報を、忘失しにくく、かつ散逸しにくい形で整理整頓できること
- 情報を号の単位でまとめること
- さらに、号よりも大きな何らかの単位でまとめること
- 全ての作品について、何らかの方法と併せれば、多少の手間はかかっても再び閲覧できる状態にしておくこと
- 表紙と目次を残すこと
- 思い入れのある作品について、手もとですぐに閲覧できること
- 何はなくとも、そのような作品を全て残すこと
満たしたいこと
- 時間効率:考えることが必要になる作業をできるだけ減らす
- 空間効率:雑誌が占めるスペースを十分に減らす
- 金銭効率:百均で入手できる消耗品を使う
- 安定性:持続的に入手できる消耗品を使う
作業工程
- 雑誌をパラパラめくってスクラップ対象を決める
- 目次ページで確認するだけだと見落としがちなので必ず通しでパラパラめくるべし
- 目次ページにスクラップ対象をマークする(作品タイトルを蛍光ペンで塗る、など)
- ホチキス針を取る(中綴じの場合)
- 表紙と裏表紙を剥ぐ
- 平綴じの場合は背中付きで剥ぎ、表紙・背中・裏表紙に裁断する。
- 中綴じの場合、表紙と裏表紙は裁断しなくていい。
- 目次ページを分離する(平綴じなら剥ぎ、中綴じなら裁断する)
- 剥いだページの端をキレイにしたければ裁断機を使う
- スクラップ対象のページを分離する(同上)
- 目次ページのマークを再確認し、スクラップ対象のページがそろっているか検査する
- クリアポケットリーフに入れる
- 順番は、表紙、(背中、付録)、スクラップ対象、裏表紙、目次
これを各誌の「●年◆月号」について行い、最後にペーパーファスナーでクリアポケットリーフを綴じれば、ひと月分のスクラップの完成だ。また、これは未実践だが、1月号から12月号まで1年分がたまったら雑誌単位で綴じ直してもいいかもしれない(例:まんがタイムきらら ●年1月号~12月号)。いずれの場合もリーフ十数枚程度なのでペーパーファスナーで問題なく綴じられる。既に、過去にパイプ式ファイルに綴じていたものはペーパーファスナーを使って1年分の雑誌単位で綴じ直した。
ページ数がたまった作品については、リーフから抜き出して単独で綴じるのもいいだろう。面倒なら抜き身のままクリップで綴じたり、こだわるならホットメルト付きの製本カバーを使ったり、と様々な方法が考えられる。こちらについても機会があれば触れたい。
使用する道具と消耗品
回転刃スライド式裁断機(10枚裁断)
具体的には「カール事務器 DC-200N」など。キレイに切れ、裁断枚数もこれくらいあれば十分。保管に場所を取らないし、刃がオモテに出ていないので安全。
ホチキス針リムーバー
具体的には「サンスター文具 はりトル PRO」など。無ければペンチでも代替可能。
クリアポケットリーフ
近所の百均で売ってるB5・2リング対応・30枚入り税込108円のやつ。
ペーパーファスナー
これまた近所の百均で売ってる、写真のようなタイプの7本くらい入り税込108円のやつ。このタイプは綴じる枚数が増えたり綴じたものを雑に扱ったりしても外れにくいので愛用している。
これまでにやってみたけどやめたこと
スキャンスナップを使って一冊まるごと自炊する
時間効率が悪すぎたのでスッパリやめた。特に以下の二点:
- 斜め吸いが多発した。いくら紙束をまっすぐにセットしても吸ってる途中でだんだん斜めになっていった。エラーになるだけならまだしも、斜めに吸った紙がクチャクチャになって再スキャンに適さなくなることさえあった。こうなると当該ページのみフラットベッドタイプのスキャナで別にスキャンして電子データをマージする(PDFならAcrobatを使う)必要があり、作業がスケールしなかった。
- 二枚吸い(ダブルフィード)が多発した。マンガ雑誌に使われるようなマガジンペーパーのザラザラした紙質上、これはどうしようもない。二枚吸いを必ずエラー検出してくれるのならまだいいが、紙が薄いからなのか検出してくれないことも多々あった。そのためスキャン後の電子データの内容を全て目視検査しなければ安心できず、作業がスケールしなかった。
思い入れのある作品と表紙・目次だけなら物量はそれほど大きくなく、スクラップでも十分に片付けられる。そもそも自炊を試し始めた当時は自炊そのものが目的化していた節があったのもよくなかった。
パイプ式ファイルに綴じる
以前はペーパーファスナーでなく百均のパイプ式ファイルを使っていたのだが、店舗で見かけることが少なくなって入手が困難になり、安定性に欠けるようになった。また、キングジムなどのしっかりしたものはひとつ数百円~千円とそれなりの値段がするので金銭効率に欠ける。そのため、継続的かつ安価に入手できる道具を使う今回の方法に移行した。
併用している方法
レールクリアホルダーに綴じる
定期購読ではなく単発で買った(例:好きな作家さんの読み切りが載った)雑誌のスクラップにはこの方法を使っている。雑誌一冊がスクラップ一冊というモノとしての存在感を示すので、後々スクラップを失う懸念が少ない、と思っている。