すいもあまいも

即売会参加レポブログになりつつある

『COMITIA 109』『ALL STAR 2』に行ってきました

8月31日(日)、東京ビッグサイトにて。この日は最高気温が25.7℃と、夏とは思えないほど涼しくて過ごしやすい日だった。

COMITIAは東5・6ホール。初動は《FlyingSnake》と《Naschkatze》。あとはゆっくりひとつずつ。夏コミ直後ということもあって入手済みのサークルが多く、チェックしたところがそれほど多くなかったため、割と楽な巡回だった。ただ、東6角のアダルトエリアはそれなりに列ができており、並ぶのが億劫になってしまって、チェックしていたけど結局最後まで行かなかった。もったいないことしたかな。

ひと通り回った後は、お隣り東2ホールの任天堂オンリー『ALL STAR 2』へ。収穫量は多くはなかったが、これまで知らなかったポケモンサークルに出会えたので良し。ジャンル的にはカービィ原型が盛り上がっていたようで、とあるサークルにちょっとした列ができていた。

その後はCOMITIA会場に戻って東5ホールを全巡回。《ハヒプの》が最大の拾いものだった。東4ホール側も全巡回したかったけど体力が追いつかず、入手した本を宅急便で送って泣く泣く離脱。年齢を感じずにはいられない……ぐぬぬ。とはいえ、今回はいつもより精度高く素敵本が入手できたので良しとしようか。

入手した本の感想

いずれもCOMITIA。P&Rにも投稿済み。

クロミミと強襲の雀侍』《カンテラ》☆

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犬浪人・クロミミの元を自称宿敵の雀侍・チュンスケが訪れる。幼少の頃からの因縁、よみがえる自身の過去、そして憎まれ口を叩きながらの共闘。軽妙な物語展開の中で描かれる犬雀二人のキャラクターの熱さと、耳キャラ江戸時代的世界観のロマンに唸る。

『青春生き残りゲーム 生きてて良かった総集編』《熊の有頂天》

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ヒッキー男と無職男のインドア生活マンガ、待望の総集編。中二病、全能感、そして自己嫌悪と自己愛。登場キャラのみならず作者自身までもが不安定な精神と痛々しい過去を曝け出してくる様に、妖しくも抗い難い心地良さを覚える。それでも人は生きていくのだ……!

『夏の月と花』《Naschkatze》

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耳っ娘たちの夏の夜。満月の下で咲く月下美人を求めて、ロップイヤー少女は屋敷の庭を行く。牡丹、茉莉花、そして桔梗。髪飾りの花言葉とともに描かれる、耳っ娘たちの可愛らしいキャラにほっこりし、また穏やかで風流な夜に和む。小さきものはみなうつくし。

『全体的に暗い本』《にゃんにゃんにゃん!》

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ちょっと後ろ向きな短編五編。今が全部なくなればいい、辛いことには遭いたくない、学生の頃のように友達とおしゃべりしたい。現実逃避の物語に後ろめたい安心感と切なさを覚えて胸が締めつけられる。物語と可愛らしい絵柄のギャップにも妖しい心地良さがある。

『はい 鬼ばって!! ~ばけもんや番外~』《2娘》

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節分を前にした鬼たちは豆を逃れて「ばけもんや」へと集う。浮世絵タッチの迫力ある外見ながらもどこか情けない鬼たちが目を引く。そして、それぞれに人間への愚痴を言い合いながらも、それぞれに人間の家族を優しく想う、人間味にあふれた鬼たちの姿が可笑しい。

『Flowers 3』《ノースポール.》☆

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悲しみに暮れるラブジョイさんを、まめちゃんは心配して追いかける。抱え込んでいた秘密を打ち明けたラブジョイさんがまめちゃんに信じられ受け入れられる様に、心の傷が癒えていくかのような深い安心感を覚える。純粋で誠実な二人の素敵な結末に胸が温かくなった。

ワーロックの庵結 二』《ノジラグ》☆

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居候の小説家・神崎を疎む心に名家の息子・博臣が同盟を持ちかける。そして神崎の敵意を認識した心は博臣と手を結ぶ。陰謀の影が渦巻く緊張感に満ちた物語と、その中で独り強くあらんとする心の姿に引き込まれる。作品そしてこの才能の行く先からもう目が離せない。

『この宇宙の川端さん』《ハヒプの》☆

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特売セールに意気込む奥様・川端さん、お試し無料の反重力サンダルで遥か彼方のスーパーへ飛ぶ。この先は有料、という借り元の宇宙人の制止をいわゆる鬼女的圧力で振り払い、我が道を突き進む川端さんが面白可笑しい。不思議な魅力に満ちた川端さんのキャラに唸る。

『夜明けのバルサミックムーン』《FlyingSnake》☆

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夜明けの空に浮かぶ二十七夜を見上げる少女。ふと見た隣家のベランダには不思議な少年がたたずんでいた。特別な時間を一緒に過ごした特別な人、と少女が少年に想いを寄せていく様が可愛らしい。純粋でいてどこか夢見がちな空気に満ちた恋模様に胸がキュンとなる。

『マーブルアニマルズ その(10) the Blue Birds』《MARBLE DOG》☆

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大空を羽ばたく者たちの道しるべとなる鳥集団・ブルーバーズ。熱血な隼から気高き白鳥まで個性派揃いで、お茶目なところもどこか憎めない。ある時は迷う渡り鳥を導き、またある時は巣立つ若き鳥を見送る。その父や母のように大きく、そして誇り高い姿が胸を打つ。

『えのぐのすーとぬりえの国』《モトネコ屋》

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えのぐのすーは色の王国に住む女の子。真っ白な世界に色を塗っていたら、突然、白の王子から色塗りを禁じられてしまう。水彩絵の具によって描かれる色とりどりの世界が物語と相まって美しい。そして、彩りに憧れる王子と彼を慈しむすーの優しい物語に心温まる。