『COMITIA111』『FEEL SO GOOD 32』『Junction Box 5』に行ってきました
2月1日(日)開催。この日は穏やかな晴天で即売会日和だった。
最初はCOMITIAから。初動は《ジャポニカ自由帳》。続いて《Happa》《BARE FEET》《すこやかペンギン》《ANCHOR》などいつものサークル。会場はとてもまわりやすく「もしかして、いつもより一般参加者が少ないんじゃないか?」と思うほどだった。
ある程度回ったところで、お隣りのスタジオYOUのイベント、音ゲー系のフィルソとJBへ。《Disharmony》《chicca》《ピクトパスカル!》などいつものサークルを回る。この日に目を引いたのはSB69サークル。前回のJBではほとんど観測されていなかったが、今回は約10サークルが参加していた。アニメ化発表もあってか一気に増えた感じ。女性向けオールジャンル以外の即売会では、このJBが受け皿になっていくのだろうか。
COMITIA会場に戻って、事前チェックしたサークルを回りきり、その後は全巡回。今回は事前チェックしたサークルが少ないこともあって、新規発掘に力を大きく咲くことができた。中でも《ダイオウイカ》との出遭いは価値あるものだった。
入手した本の感想
COMITIA111
全てP&Rに投稿済み。
『マヨイガバータイム』《あぷれーと》
夜更けの街にひっそりと開く、キノコがマスターを務めるバー。疲れた女や男やマツタケが吐き出す胸の内をマスターが静かに受け止める様にひどく安心する。非現実的なキャラの前に現実的な苦悩や悲哀すら幻想のように感じられる、妖しくも心地良い浮遊感を持つ作品である。
『魔法使いの猫 シャンテ』《ぱんぷきん堂》
魔法使いに拾われ、使い魔として人間の姿を与えられた雌の野良猫・シャンテ。ロリコンの主人や主人当たりが強い仲間の使い魔たちとドタバタしたり、悪者たちを純真な心で追い払ったりと、シャンテの可愛さで動く物語が面白可笑しい。心に染みる清涼剤のような作品である。
『アメフラシ』《ダイオウイカ》☆
小さい頃に誘拐された幼なじみの少女と十年ぶりに再開した少年。少女は自身をアメフラシに攫われて作られた偽物だと言う。幼少時代の純朴な想いが目の前の光景に侵され遂に激情へと至る少年の姿が胸に刺さる。せめて二人が流した涙の理由が悔恨でなく安堵であらんことを。
『ビーカーくんとそのなかまたち(1)』《うえたに夫婦》
理科の実験器具がキャラになった4コマ漫画。おなじみのビーカーやリトマス紙から、ちょっとマニアックな二又試験管や三つ口フラスコまで、それぞれの器具らしいあるあるネタがコミカルで可笑しい。実験の風景がかくも楽しく見える想像力にうらやましくなる作品である。
『花と天道虫』《JAZZ UP!!》
季節は盆。少女・花のもとに、亡くなった幼なじみの少年が天道虫に姿を変えて訪ねてくる。よみがえる在りし日の想い出、そして変わらないお互いへの想い、その丁寧な描写が胸にしみる。少年のことを忘れないで、好きなままで生きていかんとする少女の姿に救いすら覚える。
『実は、彼氏に誤解されている』《とこのま》
目つきが悪く悪魔と噂されてしまう少女。後輩の少年から告白されたけど、彼が好きなのはどうも噂通りの姿のようで。フラれても誤解を解かなきゃという少女と本当のあなたを知りたいという少年、双方の生真面目さが可笑しくも胸を打つ。二人の秘密につなげる結末もニクい。
『many many』《コトコトリ》
一個、二個、三個、沢山のりんごを抱える天使。でもこのりんご、もしかしたらりんごじゃないかも? 絵本のような描線と言葉回しに、不思議なりんごの不思議さがあるがままに伝えられ、心地良い浮遊感を覚える。「りんごっぽいの」という言葉に秀逸な言語センスを感じる。
『スチロンアースは哀しきけもの』《ABXXX》
ゲーセンに入り浸る常連三人組。一人、また一人と抜けていく仲間は、最後に残った男の目には格ゲーキャラの怪物に映る。怪物は現実の隠喩だろうか。ゲーセンという舞台装置が、モラトリアム期に特有の逃避と折合い、そしてもの哀しさを生々しく描き出してこの胸を刺す。
FEEL SO GOOD 32 / Junction Box 5
『無題』《Disharmony》
何と、アップルパイ型の本である。内容もアップルパイのお話、包装のイラストも白雪姫リエちゃんと、遊び心に満ちたトータルデザインに唸る。