すいもあまいも

即売会参加レポブログになりつつある

COMITIA112終了後に投稿したPush&Review

『ねこみみ転校生』《anticycle》

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イジメられっ子のメガネ少女は、猫耳というだけでちやほやされる転校生の少女を妬ましく思う。メガネ少女が憎しみ募らせる過程と、二人の立場が逆転する展開に、現実味のある恐怖を覚える。それは他人と違う特徴を本人の意志を無視して弄ぶ人間への恐れなのかもしれない。

『おしる子ちゃんア・ラ・モード』《梅皿テクニカー》

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お汁粉アイドル「おしる子ちゃん」の一里塚的な総集編。笑顔とともにあの手この手で押し強くお汁粉を売りつけるおしる子ちゃんに、怖いもの見たさのような抗い難い魅力を覚えてやまない。可愛さの中にバイオレンスあり、という作者のギャグセンスを堪能できる一冊である。

『うちのペンくんとタブちゃんのいちゃいちゃ本』《おでんランチ。》

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ペンタブを男の子と女の子で擬人化。触れ合って使う道具=スキンシップということでベタベタする二人が可愛らしく、そしてエッチい。ペンくんがタブちゃんのほっぺをつんつんしたり、背中をめくったり、上にゴロンと転がったりと、甘ったるいシチュの空想に頬がニヤける。

『だめだしごはん薫製』《KANIKAN》

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「自宅で薫製を作ってみた」的な料理エッセイ。「薫製」が放つロマンに導かれて読み始めれば、作者が調理の手を抜き失敗する姿に笑いを誘われ、また遂に成功して乙な味を堪能する姿にこちらまで恍惚としてしまう。飾り気のない庶民的な料理と食の風景に共感を強く覚える。

『君を10秒見つめたい』《きらず》

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十秒間見つめ合える相手とは恋人になれる。そう信じるヤンキー少女は委員長の少女へアタックを試みる。あの手この手を講じるも失敗するヤンキーが可笑しく、それでいて最後のどんでん返しには思わずうなる。読者を惹く道具立てと、その道具立てごと呑み込む展開が面白い。

『女の子が行きずりで遊び相手になった犬と猫』《夏草生産農家》

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少女が父に連れられてやってきた祖父の家には、人間の姿になれる犬と猫が住んでいた。動物の姿は好きだけど人間の姿はちょっと怖い。そんな少女が飼われ者たちの過去を知りながら彼らと少しずつ距離を縮めていく姿が心温まる。丁寧で端整な描写に良心を感じる作品である。

『淡*デイト。』《FlyingSnake》

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あの日ハンカチを貸してくれた初恋の子は君? 落としたハンカチを探す少女は拾い主の少年からそう告げられる。発散しがちなほど軽妙な会話劇は可笑しさと若々しさにあふれ、二人の初々しい恋模様をとことん初々しく描き出す。安心感に満ちた心地良い胸キュンに浸るべし。

『PLEASANT SURPRISE!』《むらさきいろのよる》

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人を驚かせることが好きな少女は、いつもは笑ってくれる委員長の少女がふいに見せた複雑な表情を気にしてしまう。二人がすれ違いを素直に解き、そして心の内を無邪気に打ち明ける姿が心温まる。可愛い笑顔が確かに伝える、混じりけのない純朴な仲良し模様を楽しまれたし。

『お姫様のお茶会』《どーる・HONOKA》

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童話のお姫様が開くお茶会に招かれた貴方は謎を解き招待券を手にできるか、という話仕立ての豆本。アルバム写真のように切込みに差し込まれたイラストカードの麗しさに感じ入るとともに、それが謎解きの仕掛けでもあることに脱帽する。繊細さと遊び心に満ちた逸物である。