すいもあまいも

即売会参加レポブログになりつつある

COMITIA112終了後に投稿したPush&Review

『ねこみみ転校生』《anticycle》

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イジメられっ子のメガネ少女は、猫耳というだけでちやほやされる転校生の少女を妬ましく思う。メガネ少女が憎しみ募らせる過程と、二人の立場が逆転する展開に、現実味のある恐怖を覚える。それは他人と違う特徴を本人の意志を無視して弄ぶ人間への恐れなのかもしれない。

『おしる子ちゃんア・ラ・モード』《梅皿テクニカー》

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お汁粉アイドル「おしる子ちゃん」の一里塚的な総集編。笑顔とともにあの手この手で押し強くお汁粉を売りつけるおしる子ちゃんに、怖いもの見たさのような抗い難い魅力を覚えてやまない。可愛さの中にバイオレンスあり、という作者のギャグセンスを堪能できる一冊である。

『うちのペンくんとタブちゃんのいちゃいちゃ本』《おでんランチ。》

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ペンタブを男の子と女の子で擬人化。触れ合って使う道具=スキンシップということでベタベタする二人が可愛らしく、そしてエッチい。ペンくんがタブちゃんのほっぺをつんつんしたり、背中をめくったり、上にゴロンと転がったりと、甘ったるいシチュの空想に頬がニヤける。

『だめだしごはん薫製』《KANIKAN》

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「自宅で薫製を作ってみた」的な料理エッセイ。「薫製」が放つロマンに導かれて読み始めれば、作者が調理の手を抜き失敗する姿に笑いを誘われ、また遂に成功して乙な味を堪能する姿にこちらまで恍惚としてしまう。飾り気のない庶民的な料理と食の風景に共感を強く覚える。

『君を10秒見つめたい』《きらず》

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十秒間見つめ合える相手とは恋人になれる。そう信じるヤンキー少女は委員長の少女へアタックを試みる。あの手この手を講じるも失敗するヤンキーが可笑しく、それでいて最後のどんでん返しには思わずうなる。読者を惹く道具立てと、その道具立てごと呑み込む展開が面白い。

『女の子が行きずりで遊び相手になった犬と猫』《夏草生産農家》

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少女が父に連れられてやってきた祖父の家には、人間の姿になれる犬と猫が住んでいた。動物の姿は好きだけど人間の姿はちょっと怖い。そんな少女が飼われ者たちの過去を知りながら彼らと少しずつ距離を縮めていく姿が心温まる。丁寧で端整な描写に良心を感じる作品である。

『淡*デイト。』《FlyingSnake》

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あの日ハンカチを貸してくれた初恋の子は君? 落としたハンカチを探す少女は拾い主の少年からそう告げられる。発散しがちなほど軽妙な会話劇は可笑しさと若々しさにあふれ、二人の初々しい恋模様をとことん初々しく描き出す。安心感に満ちた心地良い胸キュンに浸るべし。

『PLEASANT SURPRISE!』《むらさきいろのよる》

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人を驚かせることが好きな少女は、いつもは笑ってくれる委員長の少女がふいに見せた複雑な表情を気にしてしまう。二人がすれ違いを素直に解き、そして心の内を無邪気に打ち明ける姿が心温まる。可愛い笑顔が確かに伝える、混じりけのない純朴な仲良し模様を楽しまれたし。

『お姫様のお茶会』《どーる・HONOKA》

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童話のお姫様が開くお茶会に招かれた貴方は謎を解き招待券を手にできるか、という話仕立ての豆本。アルバム写真のように切込みに差し込まれたイラストカードの麗しさに感じ入るとともに、それが謎解きの仕掛けでもあることに脱帽する。繊細さと遊び心に満ちた逸物である。

COMITIA112に行ってきました

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たっちーさん、水池さんと一緒に《4コマ同好会》でサークル参加。新刊『4コママンガのススメ 2014年版』はおかげさまでなかなかの売れ行きでした。皆さまありがとうございました。

開場直後は水池さんにスペースをお願いして買い物へ。今回は売り子もあったのでチェック済みサークルを中心にして新規開拓は少し控え目に。《花苺》と《FlyingSnake》は信者力(しんじゃりょく)を試される頒布だったのではなかろうか。商業再録系では《虹の先》《Smith of Shadeer's》が嬉しかった。新規開拓サークルでは《おでんランチ。》がツボった。

午後からは適宜売り子。午前中や私が不在の時に私を訪ねてくださった方が何人かいらっしゃったようで、お会いできなかったのが残念。またの機会にお会いしましょう。

入手した本の感想は別記事で予定。

いろんな即売会に行ってきました(5月2日~5月4日)

5月2日:COMIC1☆9@東京ビッグサイト東123ホール

この日は朝から暑かった。日中は最高気温が27.5℃まで上がったとのこと。

9時30分頃に現地の最後尾に到着。今年のゴールデンウィークビッグサイト前のイーストプロムナードでは『U-1グランプリ』なるイベントが開催されており、通り道のど真ん中にそのイベント用のテントが設営されていたため、COMIC1の一般入場待機列はやぐら橋を降りた後に一旦切れてサイゼリアの前から続いていた。列移動時に少し歩く距離が長くなったものの、特に大きな混乱はなかった感じ。開場は10時30分。入場は11時少し前くらい。

入場後は《negoto》に直行して既刊をゲットしたら、あとはチェックしたサークルをまったり回る。COMIC1は歩きやすいし買い物がスムーズにできるありがたいイベントですね。11時15分過ぎには撤収。

撤収後は非電源ゲーム会にお呼ばれして17歳アイドルになったり壁サークルなのに新刊落としたり庭を作って徳を高めたり、夜は飲んだりしてました。

5月3日:SUPER COMIC CITY 24(1日目)@東京ビッグサイト東西両館

マンガFCとゲームとナマモノの日。昨日に続いて朝から暑い日だった。開場は10時。入場は10時10分くらい。

この日のお目当てはSB69。入場後にジャンルエリアに直行して片っ端から手に入れる。別ジャンルエリアでも頒布情報を事前に入手できたものは全部クリア。開場後にタイムラインに流れてきた情報も運よくキャッチできて確保成功。こんなに完全勝利感を味わえたイベントは久しぶりかもしれない。10時50分頃には撤収。

夜は三軒くらいハシゴして飲んでました。

『NO PURUPURU NO LIFE!』《サギリック》【SB69】

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アプリなシアンとレトリーでギャグとほっこり話。シアンとレトリーの握手会のお話は、後ろ向きなレトリーがシアンに言葉と行動で励まされる様に安心感があって、ホントにほっこりする。

『OFF』《スタジオもみじ》【SB69】

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オールキャラのギャグ本。エイプリルフールの実写シアンやガウガストライクスのしらたきなどの公式(?)ネタを細やかに拾うギャグはファンジンならでは感があって同人然としてる。

『海上の花束』《無糖飴》【艦これ

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2月『西海ノ暁』の既刊。新婚な榛名は、女性提督が指輪を胸元でネックレスに通していることが気になってしまう。不安がったりちょっとヤキモチやいたりする榛名が可愛い生き物すぎる。

5月4日:けもケット4@横浜大さん橋ホール

4コMAX!』と完全に被ってしまったので、知人におつかいを依頼。スケジューリングの拙さを反省するばかり。

事前情報によれば、この日もSB69本がいくつか出ていた。やはり女性向けやオンリー以外ではケモノ系が受け皿になった形に。出ていた本のいくつかは完売してしまっていたとのことだったので、再販を待ちたい。

夕方は『4コMAX!』の二次会で飲んでました。って、この三日間、飲んでばかりだな。

『SHOW BY ROCK!! ~Hodgepodge~』《大日本兎倶楽部》【SB69】

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ミューモン(原型)寄りアンソロ。ミューモンは擬人化とはまた違った可愛さがあるよねえ。「くお」さんのドルチと「くろいぬ」さんのクリクリが特にツボだった。

『バトンタッチ』《38》【ポケモン

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ブイズ進化系とポケモンのワザでオムニバス。レパルダス♀に「ふいうち」を食らうブラッキー♂や「くさむすび」でリボンをあげるリーフィアなど、言葉遊びから実際の動きまで、ワザを題材に巧みに作られ・連ねられた物語が秀逸。

テレビアニメで『SHOW BY ROCK!!』を初めて知った人向けにその世界を広く浅く紹介してみる

TOKYO MXではテレビアニメ『SHOW BY ROCK!!』(以下「SB69」と記します。)の放送が始まりましたね。自分はテレビ持ってない勢なので7日正午からのニコニコ動画を全裸待機しています。ワクテカ

さて、今日はテレビアニメでSB69を初めて知った人向けに、SB69の世界をざらっとサーベイしてご紹介したいと思います。既にご存知の方もいらっしゃる通り、SB69はサンリオによるプロジェクトで、「アニメ好きの大人の男性」をターゲットとし、最初はスマホゲームアプリとショートアニメから始まりました。現在、そのムーブメントは男性だけでなく女性層や音楽ファンも取り込み、またゲームやアニメにとどまらず音楽やグッズ、さらには草の根ファンによるイラストやコスプレなどにも広がっています。この記事によって、そんなSB69の世界の広く浅く知っていただければ幸いです。

音ゲーをプレイしたい!

www.youtube.com

音ゲーとしてのSB69はiOSAndroid向けに配信されています。基本無料です。

音ゲーのルールとしては、音楽に合わせて画面上部から降ってくる丸いマークが画面下部の丸いエリアに重なるタイミングでタップします。良いタイミングで押すとスコアが上がり、逆に悪いタイミングだと「テンションゲージ」(HPに相当)が下がります。テンションゲージがゼロになるとゲームオーバーです。音ゲーで高いスコアを出すためには、タイミング良く押し続けることはもちろん、楽曲の「ソウル」(属性)に合った「ブロマイド」(カード)を揃えて強化したり、また楽曲の歌い主である「バンド」を特訓したりします。

音ゲーは時間経過で回復する「ハート」を消費してプレイします。SB69はこのハートの回復が3分で1個と比較的早いです。音ゲーを1曲プレイしてちょこちょこやっているうちに、いつの間にかハートが1個回復してるくらいです。また、ゲーム内イベントでは、楽曲は日替わりでハート消費なしで音ゲーがプレイできる「日替わりフリープレイ」というものもあります。音ゲーをたくさんプレイしたい人には嬉しい限りです。

音ゲーをプレイする時、筆者はタブレットiPad)を机の上に置いてプレイしています。大画面かつ安定してプレイしたい人にはこのスタイルがオススメです。また、スマホを手持ちでプレイする場合は、一方の親指と他方の人差し指・中指を使用するスタイルがプレイしやすいようです。このスマホプレイスタイルは、公式では「煉獄の三賢堕天持ち」と紹介されています。(以下のツイートを参照。)


楽曲やバンドに興味あり!

SB69では80曲以上の楽曲がプレイできます。ゲームでプレイできる楽曲のロング版はiTunesやanimero mixで配信されています。アプリ内からも「レコードショップ」として、iOS版はiTunesへ、Android版はanimero mixへジャンプできるようになっています。なお、楽曲をアプリ経由で購入した場合はゲームの「メロディシアン」(いわゆる石)がおまけでもらえます。できるだけアプリ経由で購入することをオススメします。

SB69のオリジナルバンドは以下の11バンドです。iTunesへのリンクをつけています。(クリティクリスタの楽曲はまだ両ストアでは配信されていないようです。)

また、以下の9バンドは実在のアーティストとタイアップしています(二重山括弧内に記載)。楽曲購入は音楽ストアの各アーティストのページから可能です。

筆者が好きな曲を以下にいくつかピックアップしてみます。音ゲーのプレイ動画と一緒にどうぞ。

Favorite Number/プラズマジカiTunes
主役バンド「プラズマジカ」によるアップテンポで快活なラブソング
1.2.さんしゃいん♡/クリティクリスタ
最新バンド「クリティクリスタ」による、こちらも元気でイマドキなラブソング
Spider Love/雫シークレットマインドiTunes
透明感のあるボーカルが耳に心地良い、疾走感のある曲
恋とメリーゴーランド/ドーリィドルチiTunes
お菓子のように甘くてドリーミーな恋の歌

カラオケで歌いたい!

カラオケはJOYSOUNDが充実しています。また、JOYSOUNDでは5月31日まで、ゲーム内で使用できるブロマイドがもらえたり、プラズマジカの声優陣のサイン入りクリアポスターが当たるコラボキャンペーンも実施中です。

イラストやコスプレを見て楽しみたい!

既にpixivやTwitterにはイラスト作品やコスプレ写真がたくさんアップされています。コスプレについては、サンリオがピューロランドで開催したコスプレイベント「こすぷれふぇすた」が後押ししているのも大きいと思います。(なお、同イベントはサンリオキャラクター以外のコスプレもOKです。)

pixivでは「SHOWBYROCK!!」または「SB69」のタグで投稿されているイラスト作品が多いです。Twitter上ではいわゆるワンドロ企画「#SB69版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負」が毎週土曜日夜に実施されています。

コスプレイヤーズアーカイブにも既にカテゴリがあります。

同人誌即売会はないんですか?

この6月にはオンリーイベント「ROCKIN' SHOWER」が予定されています。

それ以外のイベントでは、「COMIC CITY」などの女性向けオールジャンルイベントや、音ゲーオンリーイベント「Junction Box」が受け皿になっています。また、ミューモンの姿形からするに、ケモノ系オンリーイベントとも相性が良さそうに見えます。

メディアではどう紹介されているの?

『SHOW BY ROCK!!』プロジェクト自体にフォーカスしたページを以下にいくつか挙げてみました。特に東洋経済オンラインの記事は必見です。「ぐでたま」を生み出したキャラクタークリエイション室が、アニメ好きの大人の男性をターゲットにしたら、女性層からも支持が得られたり、音楽ファンにも広がり始めている、という話が実に面白いです。

また、以下には、4月4日に行われたアニメ化記念ライブ記念のレポートページを挙げます。アニメ系メディアだけでなく、音楽系のメディアも取り上げているあたり、音楽ファンからの注目も確かにうかがえます。

温故知新したい

『SHOW BY ROCK!!』プロジェクトがサンリオから公表されたのは2013年5月30日です。この時には音ゲーアプリのリリースと、それに先がけたショートアニメ公開が告知されました。

当時のゲームのシステムは現在とは全く異なり、またアプリはiOS版のみでした。2014年6月にリニューアルが行われ、ゲームシステムが現在のようになり、またAndroid版もリリースされました。以下のページを見ると、リニューアル前後でアプリが全く違うものになっていることが分かるでしょう。

ショートアニメは以下の2シリーズがオススメです。プラズマジカはこの頃から既に人間の姿がありました。

『プラズマジカな午後』(全3話)

www.youtube.com

『レジェンド・オブ・シンガンクリムゾンズ』(全3話)

www.youtube.com

いろんな即売会に行ってきました(2014年11月)

2014年11月23日(日) - 『COMITIA110+コミティアX4』@東京ビッグサイト 東4・5・6ホール

30周年記念のこの回に、あろうことか寝坊して盛大に遅刻……。おかげで初動予定だった《negoto》の本は完売してた。しょんぼり。

この日の目玉は6サークル合同の豆本展示販売企画『豆本百貨店』。数多くの豆本が並び、イラストあり小説あり、装丁も素敵で、豆本好きにとっては天国のような空間だった。《こがりょうこ》《RAGDOLL》《オレンジ宇宙工場》《うさぎ御殿》《瓢箪堂》《蓮月堂》、全てのサークルについて豆本を購入。豆本には金目を厭うことなかれ。ブースを離れた後、受け取り忘れていた豆本があり、サークルの人がわざわざ自分を探して渡してくださったのも今ではいい思い出。ホントありがとうございました。

ペーパーラリー企画は171グラム集めた。くじ引きでティッシュをたくさんもらったよ!

『プレアデスの両脚 第一章 ―幼少期編―』《BARE FEET》

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「星の記憶」を集めるために星から星へと銀河を旅する獣人の少年たちの物語、待望の総集編。原始、純朴、そして生命力。星々の民と少年の衝突と和解の模様は、プリミティブな存在たる獣人だからこそ描き出せる気勢で満ちている。描き手の情念を感じてやまない作品である。

『幕末娘子伝 会津の八重さん』《ていお亭》

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時は幕末。会津藩の山本八重は鉄砲が大好き。今日も花嫁修業そっちのけで鉄砲の練習をしたいとダダをこねる。鉄砲大好きの域を超えて鉄砲マニアな八重のキャラが可笑しく、また幼なじみや妹分との掛け合いが楽しい。大河ドラマとは一味違った軽快な歴史解釈を楽しまれよ。

『4KOMAPARTY』連載作がこうして本にまとまったことはとても嬉しい。この3月からは『まんがタウン』での連載開始も予定されている。

『おせわにゃんこ 2』《むらさきいろのよる》

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お世話猫耳っ子とダメ飼い主の日常第二弾。実家の母から仕送りストップの電話がかかってきて大ピンチ。慣れないバイトに出た不平が猫耳っ子を傷つけたと自覚して謝る飼い主の真摯さと、落ち込んだ飼い主を励ます猫耳っ子の姿にほっこりする。可愛くて心温まる物語である。

『西島さんが我慢できない話』《ROOM#310》

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西島さんは興奮すると吸血したくなる女の子。今日も我慢できずに彼氏の大和くんに噛みついてしまう。自分に自信がないけど吸いたい彼女と、相手を大事にしたいのにシたい彼氏、双方の理性と性欲(まさに性欲!)の葛藤がグサグサくる。赤裸々な本能と感情の描写に唸る。

『はつかねずみのクレヨン』《おーびっと113》

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施設の部屋に閉じ込められたネズミの少年少女は、順に連れられては帰ってこない仲間を見て外の世界を想い描く。実験動物としての存在を想起させられる舞台設定が、閉鎖的な世界での彼/女らの行為を児戯から生存本能たらしめ、異様な現実味を帯びて読者に突きつけられる。

『虹の翼』《瓢箪堂》

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超短編を八編収録した豆本。虹の七色の紙に綴られた七編は各色に沿った話となっている。原稿用紙一枚に収まる程の超短編の連続は軽快でありつつ、ともすれば散逸してしまう各話を色で「編む」様は技巧としても遊び心としても秀逸。見た目に美しく読んで楽しい一冊である。

2014年11月24日(祝) - 『僕らのラブライブ!6』@大田区産業プラザPiO 1階大展示ホール

前回の聖地開催からPiOへカムバック。今回も盛況でまだまだジャンルの熱は冷めていない。《ヨツクロ》《幻捜少女》《しっとりオブラート》《はこにわかいろう》《アンコール62℃》《へぐり村役場》などいつものサークルを回る。自分が回っていたタイミングでは《フガーチェ》に列ができていた。

『3,2,1,0!』《しっとりオブラート》

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オシャレに疎い海未がファッションに目覚めるも空回りする様にソルゲ組の二人が手を貸すお話。鏡から一瞬目を背けるもまた見つめなおす海未の様に、自分に自身を持ったという彼女の言葉が説得力を持って伝わる。

『すうはく』《とこのまハウス》

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穂乃果への想いに揺れることりにフォーカスした、うみ→こと→ほのなお話。ミナリンスキーをことりのイチ人格と見なした物語構成は観念的でありながら情念的で、痛々しく響く。

『COMITIA111』『FEEL SO GOOD 32』『Junction Box 5』に行ってきました

2月1日(日)開催。この日は穏やかな晴天で即売会日和だった。

最初はCOMITIAから。初動は《ジャポニカ自由帳》。続いて《Happa》《BARE FEET》《すこやかペンギン》《ANCHOR》などいつものサークル。会場はとてもまわりやすく「もしかして、いつもより一般参加者が少ないんじゃないか?」と思うほどだった。

ある程度回ったところで、お隣りのスタジオYOUのイベント、音ゲー系のフィルソとJBへ。《Disharmony》《chicca》《ピクトパスカル!》などいつものサークルを回る。この日に目を引いたのはSB69サークル。前回のJBではほとんど観測されていなかったが、今回は約10サークルが参加していた。アニメ化発表もあってか一気に増えた感じ。女性向けオールジャンル以外の即売会では、このJBが受け皿になっていくのだろうか。

COMITIA会場に戻って、事前チェックしたサークルを回りきり、その後は全巡回。今回は事前チェックしたサークルが少ないこともあって、新規発掘に力を大きく咲くことができた。中でも《ダイオウイカ》との出遭いは価値あるものだった。

入手した本の感想

COMITIA111

全てP&Rに投稿済み。

マヨイガバータイム』《あぷれーと》

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夜更けの街にひっそりと開く、キノコがマスターを務めるバー。疲れた女や男やマツタケが吐き出す胸の内をマスターが静かに受け止める様にひどく安心する。非現実的なキャラの前に現実的な苦悩や悲哀すら幻想のように感じられる、妖しくも心地良い浮遊感を持つ作品である。

『魔法使いの猫 シャンテ』《ぱんぷきん堂》

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魔法使いに拾われ、使い魔として人間の姿を与えられた雌の野良猫・シャンテ。ロリコンの主人や主人当たりが強い仲間の使い魔たちとドタバタしたり、悪者たちを純真な心で追い払ったりと、シャンテの可愛さで動く物語が面白可笑しい。心に染みる清涼剤のような作品である。

アメフラシ』《ダイオウイカ》☆

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小さい頃に誘拐された幼なじみの少女と十年ぶりに再開した少年。少女は自身をアメフラシに攫われて作られた偽物だと言う。幼少時代の純朴な想いが目の前の光景に侵され遂に激情へと至る少年の姿が胸に刺さる。せめて二人が流した涙の理由が悔恨でなく安堵であらんことを。

『ビーカーくんとそのなかまたち(1)』《うえたに夫婦》

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理科の実験器具がキャラになった4コマ漫画。おなじみのビーカーやリトマス紙から、ちょっとマニアックな二又試験管や三つ口フラスコまで、それぞれの器具らしいあるあるネタがコミカルで可笑しい。実験の風景がかくも楽しく見える想像力にうらやましくなる作品である。

『花と天道虫』《JAZZ UP!!》

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季節は盆。少女・花のもとに、亡くなった幼なじみの少年が天道虫に姿を変えて訪ねてくる。よみがえる在りし日の想い出、そして変わらないお互いへの想い、その丁寧な描写が胸にしみる。少年のことを忘れないで、好きなままで生きていかんとする少女の姿に救いすら覚える。

『実は、彼氏に誤解されている』《とこのま》

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目つきが悪く悪魔と噂されてしまう少女。後輩の少年から告白されたけど、彼が好きなのはどうも噂通りの姿のようで。フラれても誤解を解かなきゃという少女と本当のあなたを知りたいという少年、双方の生真面目さが可笑しくも胸を打つ。二人の秘密につなげる結末もニクい。

『many many』《コトコトリ》

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一個、二個、三個、沢山のりんごを抱える天使。でもこのりんご、もしかしたらりんごじゃないかも? 絵本のような描線と言葉回しに、不思議なりんごの不思議さがあるがままに伝えられ、心地良い浮遊感を覚える。「りんごっぽいの」という言葉に秀逸な言語センスを感じる。

『スチロンアースは哀しきけもの』《ABXXX》

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ゲーセンに入り浸る常連三人組。一人、また一人と抜けていく仲間は、最後に残った男の目には格ゲーキャラの怪物に映る。怪物は現実の隠喩だろうか。ゲーセンという舞台装置が、モラトリアム期に特有の逃避と折合い、そしてもの哀しさを生々しく描き出してこの胸を刺す。

FEEL SO GOOD 32 / Junction Box 5

『無題』《Disharmony》

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何と、アップルパイ型の本である。内容もアップルパイのお話、包装のイラストも白雪姫リエちゃんと、遊び心に満ちたトータルデザインに唸る。

コミックマーケット87(2014年冬コミ)に行ってきました

1日目:12月28日(日)

2014年の冬コミは大晦日を回避した開催日程だった。1日目は陽が照り風も穏やかで比較的過ごしやすい日だった。

8時25分に西入り待機列の最後尾列に着き、10時14分に入館して西館へ向かった。西行きの人は少なく、朝の西館は「本当にコミケなのか?」と思うほど歩きやすかった。初動は《なすこん》、続いて《苺の塊》《Caramel Crunch》《pluvo》《taint stapler》《CUTIE KIDS CLUB》《小松姫プロジェクト》など。

10時37分には朝の西館を切り上げて東館へ向かった。東館では《BLACK FANG》《臆病者の魔法使い》《のななの》《ユース》《朝月夜》《うさもし》《さくらべりい》《chicca》などをまわり、続いてポケモンエリアを全巡回。この後は新規開拓として妖怪ウォッチエリアを全巡回した。サークルの絶対数こそ少なかったものの《ネコ肉肉飯店》《魅惑のチキルーム》との出遭いは価値あるものだった。

11時47分には東館を全てまわり終え、東1・西1間のショートカットを使って西へ向かった。再度の西館では創作少女エリアと鉄道擬人化エリアを全巡回し、13時03分に撤収。今年は企業ブースでの欲しいものはなかったので、例年と比べて早く1日目が終わった。後から人づてに聞いた話では、今年は1日目が日曜日ということもあってか、企業ブースは列が長く過酷だった模様。777枚限定のCDを手に入れた人、お疲れ様でした……。

2日目:12月29日(月)

この日は生憎の雨模様。冷たい雨粒が待機列の参加者を容赦なく襲った。スタッフ参加者からは「移動中は傘を閉じてください」のアナウンスが何回もあり、コミケにおける雨合羽の重要性を再確認させられた。

8時45分に東入り待機列の最後尾に着き、10時30分頃に入館した。初動は《つまづかない》《となりのチベくん》、続いて《Shore》《前方不注意》《ゼラチンゴハン》などの4コマ二次創作、そして《citron citron》《きゃんりゃ》《C-HOUSE》《イカプリンセス》などのゲーム系をまわる。この日は時間に余裕があったこともあり、ここからは任天堂系とスクエニ系を全巡回。スクエニ系での《追歌》《ヨリミチ。》との出遭いは価値あるものだった。13時08分には撤収。帰る頃には雨もあがっていた。

3日目:12月30日(火)

この日は1日目以上に穏やかな天気。会場で動き回っていると汗ばむくらいに温かい日だった。

開場直後は《4研》で売り子して、11時11分に出発。初動で東2の《むぃむぃらぼ》を手に入れたら、東1・西1間のショートカットを使って西1のラブライブエリアへ。事前の書店通販で予約していなかった《muze》《お店!》《まじのこのこ》《幻捜少女》などをまわる。この時点で《ココです。》《和食で肉》が既に完売していてぐぬぬ

ラブライブの後は再度ショートカットを使って東へ戻り、創作少年エリアで《W.label》《ICHIGO☆星》《すこやかペンギン》《Honey Crown》《猫が行く》《BARE FEET》《MARBLE DOG》《たまご屋》《桃園》《teracco》《いつもそ!》《CANCER.O2》など、そして男性向創作エリアで《MAPLER》《花苺》《ゆめいろごろも》《MATSUDASTYLE》など、いつも通りな感じのラインナップ。あとはチェックしたサークルをひとつずつまわる。14時30分頃に《4研》スペースに帰還し、あとは閉会までスペースでまったりしていた。

《4研》で《4コマ同好会》の『4コママンガのススメ2013年版』をお手に取ってくださった皆様、ありがとうございました。2014年版もがんばるぞい。

入手した本の感想

特記がない限りは新刊。

1日目

『2本のしっぽ物語』《ネコ肉肉飯店》【妖怪ウォッチ】

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既刊。ジバニャンとケータの出会いと別れ(?)の物語な4コマ。ひとりぼっちの寂しさと二人でいる楽しさの丁寧な描写にしんみりする。妖怪ウォッチ初心者の自分でも読みやすかった一冊。

『FUMI FUMI』《魅惑のチキルーム》【妖怪ウォッチ】

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フミちゃん主人公で日常ギャグ。エミちゃんとの胸差にツンツンしたりおじいちゃんにドキドキしたり、なにこのポニテっ子めっちゃかわいい、という気持ちになれる一冊。

『となりの正面』《朝月夜》【ポケモン

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おとなりさん、ライバル、それとも――? カルムの気持ちが気になるセレナのお話。タッグを組む隣同士の二人とマスタータワーで相対する二人という対比に、主人公の「おとなりさん」としての存在が際立つ。原作の設定とストーリーを丁寧に拾って解釈した、同人然とした一冊。

『旅するヤミラミ』《アレはアメちゃんです。》【ポケモン

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メガシンカのニュースを見たヤミラミはメガストーンを探す旅に出る。進化に憧れるヤミラミが自身の憧れの先にある想いに気づいて成長する様が沁みる。キャラクター作りが秀逸な一冊。

キン肉マンVSアベンジャーズ』《MUSCLE FACTORY》【キン肉マン

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チェロキー族の集落をマグニートー率いるミュータントが襲う。集落を守るテリーマンジェロニモ、彼らに加勢するキャプテンアメリカ、ミュータントに与するネプチューン・キング、颯爽と登場するアベンジャーズ、と登場キャラの豪華さからして大満足。超人とヒーローの作品を超えた熱いコラボに唸る。

『開業は戦争』《4S》【擬人化(鉄道一次)】

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JR 6社擬人化シリーズの最新作は北陸新幹線開業ネタ。開業までの経緯や鉄道ネタを織り交ぜつつ描かれる、JR東西のライバル関係が面白可笑しい。鉄道という業界に対する愛が詰まった一冊。

『アメリカンさんと日本航空さん 第2便』《taint stapler》【擬人化】

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AALからの提携アプローチをはぐらかしつづけてきたJALに異変が起きる。AALJAL、そしてデルタ航空の三角関係は三人の人間の関係として描かれ、社の危機は人の危機になり、その緊迫感がより生々しく描き出される。擬人化という表現技法が持つ力がまさに生かされた一冊。

『野々山女學院高等部 蟲組』《ポイズンシラユキ》【創作】

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既刊(『~2』が新刊で出ていた)。人の心に巣食う蟲を喰う「蜘蛛」なる少女・やつめ。彼女の網に、後ろ向きな少女・カズサがかかる。負の感情を露わにするキャラの表情、蟲の不気味さ、そして問題解決としての捕食を用いた物語展開があいまった、完成度の高い漫画作品。昭和モダンな雰囲気の表紙にも惹かれる。

『あいうえおばけちゃん ~たべるのだいすき~』《桜屋》【創作】

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既刊。おなかぺこぺこなおばけちゃんが、おいしいたべもので「あいうえお」。あんぱんもぐもぐ、いくらでおめかし、うどんのおふろでぽっかぽか。食べ物と戯れるおばけちゃんの幸せそうな表情にほんわかする。

『かわいくないひと。2 うんめいのかのじょ』《Poppy Seed》【創作】

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地味女子・ちひろとイケメン女子・コハクのシリーズ第二作。学園祭で主役を張ったコハクとお姫さまカフェで慣れないドレスを着たちひろ。メガネを外したちひろとは気づかず、コハクはドレス姿のちひろと出会い、そして――。コハクの唯我独尊キャラと怖ず怖ずキャラの落差が実に可笑しい。二人の力関係の変化が見ものだなー。

2日目

『Ring a Bell』《ヨリミチ。》【BDFF】☆

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既刊。「6」の世界から「0」のその後までの、リングアベルの物語。ストーリーラインを丁寧に追いながら、作中で断片的にのみ語られる過去を丹念に描き、そしてありえた未来を確固たる強度で描く。秀逸なのは、イデアとの別れ際のリングアベルの言葉と、エンディングで兜をつけずに登場するリングアベルの解釈だろう。いずれもアナゼルでありながらアナゼルでないリングアベルの悲哀、そして未来への希望がありありと描かれている。

私がBDFF本を探し始めたのはこの冬コミからにもかかわらず、いきなりこのような傑作に出会えるなんて、これはもう同人の神様がついていたとしか言いようがない。ただただ感謝。

『In My Heart』《ヨリミチ。》【BDFF

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こちらも既刊。ヴィクターとヴィクトリアの今に至る物語。導師の能力、狂気に堕ちた父、そしてヴィクトリアという希望と絶望。ヴィクターが狂気に至るまでの悲しき「ありえた過去」が、原作をシステムとシナリオの両面から踏襲しながら、強い説得力でもって展開される。二人が今際の際に見せた人間味を見事に描いた作品。

『追歌 2002-2014』《追歌》【FF】

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2014年はSFCFF6発売から20周年でもあった。そんな年に発行されたFF6作品再録集。作品の多くは登場キャラの人生にスポットを当てているように思う。中でも秀逸なのは、愛を知るティナを描く『I know, what love is』と、シャドウの死出の旅を描く『The last journey of SHADOW』だろう。求め続けていた安寧をやっと得ることができたそれぞれの姿が沁みる。

3日目

『わたしたちの青春』《ホンノキモチヤ》【ラブライブ!】☆

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神モブ三人組、ヒデコ、フミコ、ミカの物語。裏方としてμ'sを輝かせたい、そんな三人の苦悩と喜びがありありと描かれている。特にアニメ1期13話相当の場面に心震える。μ'sの中には踏み入ることができない悲しさと、どうしようもなくμ'sに惹かれてしまう感劇が、裏方としてのキャラクターを巧みに描き出している。普段スポットライトの当たらないキャラたちを見事に描いた傑作である。

『混沌のグルメV』《テンタイ→カンソク》【孤独のグルメ

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あの作品この作品に登場する飯屋をゴローちゃんが往く、総集編第五弾。収録作品の中では特にFF5のケルブの村の羊料理が面白い。羊料理の描写はもちろん、貿易商としてコルナゴの壺をじいさんに売ったり、下戸だからとウルフにルゴルの酒を手渡したりと、ゴローちゃんのキャラがFF5の世界の中で生きている。同人然としたコラボ作品である。

『よもぎ町パンタグラフ』《すこやかペンギン》【創作】

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かつてケータイコミックとして連載されていた作品が一冊に。新エネルギーを集める装置「パンタグラフ」(見た目はスプーン)がいたるところに刺さる町で、少年少女たちはパンタグラフの秘密に巻き込まれていく。これぞ、ザ・ふかさくえみ作品。SF的な道具を立てつつも現代の平凡な日常が織り交ざる物語は、今ここにいる僕たち・私たちの冒険物語、というリアリティを持って読み手に迫ってくる。現実と地続きのようで未来にいる、そんな不思議な感覚が心地良い。

『ぎじんか速報2 ふわふわニートケーキ』《梅皿テクニカー》【創作】

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お布団簀巻きで「ロールケーキごっこ」大好き、引きこもりお嬢様・ましろの日常。家政婦さんの言うことは聞かず、あてがわれた男子は困らせる、自由奔放で唯我独尊なましろが可笑しい。この作者は「動じない人」と「動じちゃう人」の関係性描写が巧みな印象がある。ところで、それぞれのキャラに「自分は○○だ」という自己認識がない(控え目に言っても、そういった描写がない)のは「ぎじんか」作品では珍しいと思った。

いちご姫の憂鬱』《日々の暮らし》【創作】

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苺と人間のハーフ・いちご姫の日常4コマ。排泄物は甘く、心は水と光を求め、体は愛する人の「花粉」を求める。作品傾向としてはしずむちゃんシリーズに近いものを感じる。作者作品からは、ある種の道徳的規範において忌避されるべき事物を生々に描き、その中に人間的ドラマを埋め込まんとする意志を感じる。創作シリーズといい、アイマスシリーズといい。

『MUFFLER』《いつもそ!》【創作】

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マフラー女子イラスト本。表紙の子からして「後ろ髪がマフラーにかかってふわっとしてる女子って最高だよな……」感がすごい。髪、肌、そしてファブリックを描く描線のやわらかさに惹かれる。あ~もふもふしたいんじゃ~。

『マホウショウジョ☆グリモワール2』《W.label》【創作】

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魔法少女イラストシリーズ第二弾は童話のキャラたちがモチーフ。美麗なイラストとコミカルな4コマのコンビが絶妙と言えよう。アリスは鍵型ステッキを手に取って水色ワンピに身を包み、巨大化薬を飲んで悪い奴を蹴散らしちゃう。作者は容姿と言動の提示によるキャラ見せが巧みだよなあ。ある意味、擬人化的キャラ見せとも言えよう。

『Puzzle×RPG 魔法使いと迷子の剣士』《Puzzle×RPG制作ギルド》【創作】

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ファンタジー風ストーリーのペンシルパズル本。マインスイーパーで見えないモンスターと戦い、数字つなぎでダンジョンを突破する。こういうちょっとした遊び心、良い。同人誌に鉛筆で書きこんだのも生まれて初めて。この同人誌はパズルを解くという経験、そして紙の上に残された黒鉛によって完成されるのだ、うんぬん。